「0歳のフォトブック。初めてのアルバムという宝箱。」

子どもと一緒にいる時間は、いつでもかけがえのないものですが、
その中でも0歳という時は親にとって今までの人生の中で決して経験することのなかった特別な時間です。

特に我が子が生まれた瞬間のあの高揚感、心のうちから湧き上がる喜びの気持ちは言葉にできません。
10ヶ月間、お腹の中で育ってきた赤ちゃんと初めて出会ったあの感動、
声の限り泣いている我が子を見て思った「生まれてきてくれてありがとう」という気持ち。

この時の気持ちをずっと忘れたくないというのなら、0歳のアルバムはぜひ作ってほしい。

そして、作ったアルバムはぜひいつでも見ることができるように手元に置いて下さい。
なぜなら、子どもが生まれてから初めて作る0歳のアルバムはこれからの子育てにおけるパワーの源になるから。

もしこの先、子育てにおいていろいろな問題が起こったとしても、
我が子を授かったあの幸せの原点に戻れるアルバムがあれば、ページをめくる度に力がもらえることでしょう。

というのは私ごとですが、息子が成長するにつれ、当然ながら頭を悩ます問題は増えていく訳で…
正直に言うと、気持ちがどうしようもなく落ちてしまうことも多々あります。

そんな時、0歳のフォトブックのページをめくることにしています。

生まれたてホヤホヤの小さな息子の姿、生後間もなく原因不明の熱に襲われて病院に入院した時のこと、寝返りがなかなかできなくてやきもきしていたこと…アルバムを見ていると一気にその瞬間に引き戻されるから不思議です。

初めての子育ては今まで飛んだことのないハードルを飛び続けているような日々でした。
そのハードルを頑張ってひとつひとつ越えてきたことを思い出し、勇気をもらえるような気がします。

同じ写真はスマートフォンにも入っているのですが…何か違う。
1冊のフォトブックにまとまっていることで0歳の時のダイジェストストーリーを追うことができるような…。
数多く撮った写真の中で、自分たちが選りすぐった写真を集めているからでしょうか。
私はアルバムにはかけがえのない愛情という特別な力が詰め込まれているように思えてしまうのです。

さあ、ではいざ作ってみようと思っても、撮った写真をアルバムにまとめるとなると、
「うまく撮った写真じゃなくちゃ…!!」なんて妙に力が入ってしまい、作り始めるのに勇気が要るかもしれません。

でも、アルバムはその一瞬の「時」を詰めこむ宝箱のようなもの。
必要なのは上手に撮れた写真よりも、ただただ子どもと向き合った何でもない日常の記憶の一片であればよいのです。

それがもし他の人には意味を持たない写真だとしても……?
答えはyes。

自分たちにとっての特別であるなら、アルバムに入れるべき価値があるということなんです。

例えば。
あるお父さんは、赤ちゃんが誕生した日に見上げた空の写真を撮り、0歳のアルバムの表紙にしました。

生まれた病院の屋上から見えた、まさに「何でもない」空です。
あいにく真っ青な美しい晴天の空ではなく、少し薄曇った淡い灰色の空でしたが、
それでも、その空は一生に一度の大事な空。
アルバムを手にする度、彼はどんな気持ちが蘇ってくるのでしょうか。

また、あるお母さんは、夜中の母乳時間に腰掛けた椅子の写真を撮ってアルバムに入れました。
あの2人だけの静寂な時間を幸せに感じた記憶を椅子の写真に閉じこめました。
それは、彼女にしかわからない思い出であり、物語だと思います。

そう、親子にはそれぞれの物語があるのです。
アルバムはまさにその物語を閉じ込める宝箱のような存在。

そして、0歳の初めてのアルバムはかけがえのない一つめの宝箱。

いつか、我が子が成長した時にぜひその一つめの宝箱を見せてあげて下さい。
そこには、生まれてきたばかりのまばゆいばかりの自分の姿と、何より幸せに包まれた家族の姿が写っているはず。
それを目にした時に、きっと子どもたちは知ると思います。

この世界に誕生した自分が何よりも一番の宝物だということを。

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