一輪の花も、広大な花畑も。ワンランク上の写真が撮れる、花の撮影テクニック

近所の公園や旅先でふと目にする、色とりどりの花々。四季折々の美しさをきれいな写真に残せたらうれしいですよね。おしゃれな構図の写真が撮れたら、スマホやパソコンの壁紙にするのも素敵です。この記事では、花の撮影スキルをワンランクUPさせるためのテクニックをご紹介します。

<目次>

  1. 一輪の花に注目するときは「望遠ズーム」か「マクロモード」がおすすめ
  2. たくさんの花を撮る場合は「フレーミング」を意識する
  3. 「光の当たり方」を活用して花の色をきれいに写す

一輪の花に注目するときは「望遠ズーム」か「マクロモード」がおすすめ

一口に花と言っても被写体はさまざま。一輪の花を主役にしたいときもあれば、一面に広がる花畑をフレームいっぱいに収めたいときもあります。まずは、一輪の花を撮るときのポイントを解説します。

「望遠ズーム」で背景をぼかして花を際立たせる

背景をぼかして花を際立たせると、花の持つ優しさや柔らかな雰囲気をおしゃれに写し出すことができます。

デジカメの場合は以下の手順で背景をきれいにぼかせます。

  1. 絞り優先モード(A、Av)に設定
  2. F値を小さくして絞りを開く
  3. 望遠にズームして花に近寄る

「マクロモード」で花の細部を鮮明に写す

花の細かい部分をアップにして撮りたいときは、「マクロモード」を使いましょう。マクロモードは被写体にレンズが触れるぐらい近寄って撮れる機能です。

マクロモードでは、以下の手順で撮ります。

  1. マクロモードに切り替える
  2. 花に思い切って近づく
  3. 主役の被写体(花びらやおしべ・めしべなど)にピントを合わせる

花がフレームからはみ出してもいいので、撮りたい部分を思い切り大きく写してみましょう。マクロモードへの切り替え方法は、使っているカメラの取扱説明書で確認してくださいね。

なお、マクロモードでの撮影がうまくいかないケースには、以下のものがあります。

  • ピントが合いづらい
    → 被写体に近づきすぎるとピントが合わないので、花から少し離れましょう。
  • 手ブレしてしまう
    → ベンチに置いたり三脚を使ったりして、カメラを固定しましょう。

たくさんの花を撮る場合は「フレーミング」を意識する

次に紹介するのは、一面に広がる花々の撮り方。フレームの中で花をどう配置するかがポイントです。満開のチューリップ畑などを撮るときの参考にしてみてください。

フレーム内の花の色のバランスを意識してみよう

花畑や花壇で咲き誇る花をフレームいっぱいに収めれば、華やかでにぎやかな写真になります。チューリップのような色とりどりの花がたくさん咲いているときに、おすすめの撮り方です。

同じ色のまとまりに注目して、フレーム内での色のバランスを意識することがコツです。主役にしたい色の面積を大きくすると、メリハリのある構図に仕上がります。

左の写真は、濃いピンクと薄いピンクの花がフレームの大半を占めるように写しています。奥に黄色の花を差し色として入れることで色の豊かさを表現するとともに、写真に奥行きを持たせる効果も狙っています。

右の写真は、左の写真における花の色の境界線を示したものです。それぞれの色の面積に差をつけていることが、はっきりとわかります。

引いたアングルでは地上と空の割合を意識してみよう

花畑のほかに、空や周りの木々なども入れた景色を撮るときは、地上と空の面積がポイントです。

上の写真では、空が面積全体の3分の1を、遠景まで広がる花畑が3分の2を占めるように写しています。カラフルな花畑を主役にしつつ、青空の存在感も確保して、風景の美しさが印象深く感じられる仕上がりになっていますね。

このように、フレームを縦に三分割してメインの被写体が3分の2を占めるように写すフレーミングは、「三分割法」と呼ばれる構図の基本の一つです。


「光の当たり方」を活用して花の色をきれいに写す

花の色は、日光の当たり方で見え方が大きく変わります。そこで、日光を上手に使って花の色をきれいに写してみましょう。特にひまわりなど太陽が似合う花を撮るとき、特に効果を期待できるテクニックです。

花の色を鮮やかに写したいときは花の正面に光が当たる順光で撮る

花の色を鮮やかにはっきりと写したいときは、太陽が自分の後ろにあって、被写体の正面に光が当たる「順光」で撮りましょう。順光で撮れば、色や形を細部まで明るくはっきりと写すことができます。

なお、花に自分の影がかかってしまうときは、花から少し離れましょう。

花の後ろに太陽がある逆光で撮ると生命力あふれる印象に

逆光は太陽が自分の正面にあって、被写体の後ろから光が当たる状態です。逆光では花と太陽が一緒に写る構図になるので、花の生命力が感じられる仕上がりになります。

また、光が透過した花びらに対して、透過していない花びらは暗く写るので、色のメリハリがついて順光とは違った印象に写ります。順光と逆光の両方で撮ってみて、違いを見比べてみてください。

なお、逆光では太陽の光が直接カメラに入るので、カメラは暗く写そうとします。画面が暗くなってしまったときは、露出補正をプラスにすることで明るく写すことができますよ。



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