ピンボケ写真の原因と対策テクニック
写真がピンボケする原因としては、「本当にピントが合っていないもの」と「ブレによるもの」があります。撮った写真がピンボケしていたら、以下のどれに当てはまるか症状をチェックし、症状に合わせた対策テクニックを取り入れてみることをおすすめします。
近づきすぎによるピンボケを防ぐ
チェックのしかた
- 背景にピントが合っている
- デジタルカメラから撮りたい花までの距離が近い
- シャッター半押し時に、AF(オートフォーカス)警告マークが出る
対策テクニック
ピントの合う範囲が狭くなります。実際の範囲はカメラによって異なり、ズームの位置によってピントの合う範囲が異なる機種も。カメラの使用説明書を読み、ピントの合う範囲を覚えるとともに、その距離の感覚を覚えておくようにします。撮影時は液晶モニターで構図を決めるとよいでしょう。
もう一つのアドバイス
近づきすぎると自分やカメラの影が写ってしまうことがあります。
フラッシュ撮影(ストロボ撮影)すると白飛びやすいので、フラッシュ発光禁止モードで撮影します。または、フラッシュの前に白い布や紙を置いて光量を減らすことでもピンボケを防げます。
中抜け(ピントが背景に合い被写体がピンボケ)を防ぐ
チェックのしかた
- ピントを合わせたい被写体が写真の真ん中にない
- 画面の中心の被写体にピントが合っている
対策テクニック
花にピントを合わせてシャッターボタンを半押しするとピントが固定されるので、その状態で構図を整え、全押しして撮影します。
オートエリアAFではなく、センター固定AFに設定して、シャッターボタン半押しテクニックを使用します。もしくはエリア選択AFに設定し、ピントを合わせたい被写体にAFエリアを移動させることでも撮影できます(機種によっては設定できない場合もあります)
もう一つのアドバイス
背景もぼかさずわかるようにしたい場合は、ズームを広角側で撮影し、ISO感度を高い数値に設定するとよいでしょう。背景が広く入るとともに、背景のピントも向上します。
カメラブレによるピンボケを防ぐ
チェックのしかた
- 写真のどこにもピントが合っていない
- 曇天または夕方、室内など暗い環境で撮った
- ズームは望遠を使った
対策テクニック
シャッター速度優先モードで高速シャッターに設定するか、スポーツモードを使います。シャッター速度を速めると、暗くなるので、ISO感度は高めにします。
具体的には次の3つの方法があります。
(1)ネックストラップを使う
首にかけたストラップをピンと張ってカメラを構えます。セルフタイマー機能も使うとよいでしょう。
(2)安定したところにカメラを置く
安定した構造物にカメラを置き、セルフタイマーで撮影します。
(3)三脚を使う
三脚を使ってカメラを固定し、手ブレを防ぎます。
低い場所に咲く花も多いのでローポジション撮影が可能な三脚があると便利です。
被写体ブレのよるピンボケを防ぐ
チェックのしかた
- 写真の一部にピントが合っていない
- 曇天または夕方、室内で撮った
- 花が風で揺れていて、揺れている花だけがピンボケである
対策テクニック
シャッター速度優先モードで高速シャッターに設定するか、スポーツモードを使います。シャッター速度を速めると、暗くなるので、ISO感度は高くしておきます。
もう一つのアドバイス
群生している花が揺れている写真などは幻想的に見えることもあります。「ピンボケ=失敗写真」と決めつけずに別の視点で見ると新たな写真の魅力が見つかります。
風が吹いているとピントが合わせにくいので、風がやむ一瞬を待つか、風が花に当たらないようについたてを立てるとよいでしょう。そのとき周辺の環境を傷めないように気をつけましょう。